PCR検査の影

PCR検査は、極力実施すべきでないという、奇妙な論理が我が国だけで声高に喧伝されている。著名人である、評論家橋本徹氏、政府専門家会議の面々、トロンプロジェクトの主唱者であった坂村健氏などが消極論者であり、お笑い上がりのキャスターが説得されてしまい、「検査をどんどんすべきと言っていた私は全く間違っていたのですね」と納得してしまった。
その理由としては、検査数を広げると、感染を心配した人が病院に押しかけ、診察がパンクしてしまう。 感染者が、把握されているよりも多く存在する可能性があり検査をして陽性が判明すると、専門医療機関の入院者が増え,オーバーフローしてしまう。
などがもっともらしく主張されるが、国民全員の検査を要求されているのでは無く、主治医が必要と考える肺炎患者に対しても、検査が拒否され、なおかつ、検査数は、検査可能数の1/6辺りに留まっている事に疑問が呈されているのである。
 また、実感染者数が、検査済み人員を遙かに超えているのなら、その人達が別クラスターの核になったり、別原因で診察を受け、院内感染の原因になる可能性があり、多くの隠れ感染者が潜在しているのなら、早急に医療体制の見直しをしないと、感染爆発を招くことになる。現状を把握するためには、データーが必要である。
 
NHKスペシャル パンデミックとの闘い・感染拡大は封じ込められるか( 3/22)にて、
専門家会議 押谷仁氏の発言は、以下のようであった。
「日本は、爆発的な感染の拡大にならない所に留まっている。
本当にどこまで持ちこたえられるのか。
いつ何が起きても、おかしくない状態です。」と切迫した危機感を持ちながら、
PCR検査が進んでないことについては、
「PCR検査によって、早期にクラスターを見つけ、潰していくのが可能になっている。
見逃しているのなら、オーバーシュートが発生しているはずだ。
そうなっていないのは、クラスターを見つけるための十分な検査がなされているからだ。」
と前後で矛盾した発言をしていたが、経路が追えない感染者は増え続けており、オーバーシュートが近づいてきた。

 戦後日本の製造業が立ち上がった時、製品は、安かろう、悪かろうの状態であった。
先人達は、これを短期間の内に、低価格、高品質のメードインジャパン製品へ転換していったが、これは、米国人デミング博士による品質管理文化の薫陶をすばやく咀嚼し、広く応用していったからである。
その文化は、現代の日本の製造現場に、脈略として流れ、製造現場の人員が最初に、基本的にたたき込まれるのは「データーから判断する。」と言うことである。
品質管理は、「現場で起こっている事実」を把握するため、必ずデータを収集し、「QCの七つ道具」等の統計的方法を駆使して、要因を探し出し、具体的な対策を立てる。
この方法が製造現場の血肉になり、製品品質を作り込んでいる。
 データーを取ると都合の悪いことが見つかってしまうので、データー収集を拒否するような会社は、自己改革不能であり、とっくに潰れている。
PCR検査をしないと言うことは、これと同じ事である。
 評論家、一部の医師達は、高学歴であっても、元々視野が狭いのか、狭い業界で、生活し、現場の基本的心構えに触れることが無かったのか。受け入れたくない問題箇所については、データーを取らず、見なければ、顕在化しなければ、自然に消えてしまうとでも思っているのだろうか。
リーダー層の洞察力が希薄な日本で、清潔好きで、自制的な国民性だけが武器となって、最低限の感染で、切り抜けられるほど、特殊に恵まれているとも、考えづらい。

 この間、識者からは、軽症者、重症者の区分け、他の病気の患者と仕分けるための発熱外来の設置などが、主張されてきたが、一ヶ月経って、厚生省が具体論の検討が始まった。

 ここで、思い出すのは、東日本大震災での石巻市、大川小学校の苦い事例である。
地震が起きて25分の間、方針が決まらず、裏山に逃げたいという子供達の意見は退けられ、一部教師のミスリードに引きづられ、津波の方向に走り始め、全校児童108人の84名が津波にのまれてしまった。 避難場所、避難時間は、十分あったのにもかかわらず、最悪の道を選択してしまった。
尊い教訓は生かされなければならない。
ウィルスの津波は、そこまで迫っている。医療現場は疲弊し、防護服、マスクが手に入らない。日銭で回転している小規模事業者が行き詰まるのは、目前である。
リーダー層は、国民に自粛を迫るばかりで無く、自分たちが汗をかき、なすべき対策を具現化しリーダーとしての存在を示すべきである。

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